神栖の家














利根川と水田がつくる水平のイメージを取り込む
利根川と太平洋に挟まれた平野部に位置するこの敷地は一年を通して風が強く吹く。更に敷地は海浜性の砂地であるため、風で巻き上がった砂を家屋内に侵入させない工夫が必要だった。そこで建物の1階レベルを80cm持ち上げ、縁側を兼ねたコンクリートの床をはね出させて砂除けとした。次に天井高さを必要としない駐車スペース上部に2階を乗せて、地面から持ち上がった1階とは半階分の階段で繋いだ。そうすることで1階と2階との距離感を縮めて一体感が得られるようにした。そのようにして生まれた横長のプロポーションの建物は通常の家屋の1.5階分の高さに抑えられていて、周囲の水田と利根川がつくる平たい風景に馴染んでいる。
  • 所在地 :茨城県神栖市
  • 敷地面積:481.43㎡
  • 延床面積:199.60㎡
  • 構造規模:木造2階建て
  • 竣工  :2016.5
  • 施工  :2015.12 – 2016.4
  • 設計  :2015.4 – 2015.11
  • 施工  :高柳工務店
  • 構造設計:皆川宗浩
  • 写真  :鈴木文人