外部と内部をまたいで立体的に円環する動線
利根川の河口流域に位置する敷地は、水田のつくる風景が南側に広がる。既存家屋から十分な距離を保ちながら、建物をなるべくコンパクトな平面形状として2層積み重ねることで、既存家屋との間に庭を挿し入れる余地をつくった。一次産業に従事する建主は、体の汚れを家に上げないように室内を介さず浴室に直行できることを望んだため、外部階段と2階南側のテラスを通過することで浴室に直行するルートを確保する。更に内部にも階段を設けることで、内部と外部の2つの階段を使った円環する動線が生まれた。2階の外部空間であるテラスの奥行きを1間として、物干し竿とウッドデッキ製の机を設えた。これを円環する動線がめぐることで、外部空間を普段使いの生活の中に落とし込んだ。立体的に内部と外部が交錯することで生き生きと使われる外部空間が生まれることを求めた。