移動続きの1ヶ月間だったので、お土産をほとんど買わずに最終日を迎えてしまう。思い出したようにスーパーやドラッグストアをハシゴして土産を揃える。12:25CDG発のAir China。翌日5月7日13:55成田着。
今回の旅を振り返って。この旅は建築を巡る旅だったことは間違いないのだけれど、それを一人ではなくて二人で続けたことに大きな意味があったと思う。大小色々な問題が起きるたびに二人で相談して、解決を見出し、次へ進む、その繰り返し。美味しかったり、美味しくなかったりする食事を共有する。建築や美術作品を見て言葉を交わす。一人では得られない感情や感触があった。たくさんの都市、たくさんの建築に付き合ってくれた妻に感謝。
訪れた都市に暮らす人々。特に印象的だったのが路上で暮らす人々だ。どの都市に行ってもホームレス、物乞い、赤ちゃんを抱いた母親、小学生くらいの男の子が路上での生活を強いられていた。正直に言うと、建築を見て回る自分が浮世離れしたことをしているような気がして胸が痛かった。社会の歪みは日本よりもわかりやすい形で表出しているのであって、実際のところは日本も変わりがないのではないかとも感じた。
物乞いではないが、路上で日銭を稼ぐ人もたくさんいた。おもちゃ売り、バンジョー弾き、グラフィティを地べたに描く人、トラムに乗って舞台を始める男女…。みんな必死に生きていた。彼らの切実さと同じ切実さで自分は生活できるだろうかと自分に問うた。路上の人々が表していた生きることの切実さを胸にとどめて生活していこうとおもう。