Madrid Chamartín 駅を8:00に出発、Renfeに乗って13:04にBilbao Abando 駅に到着。今回の旅行で一番の雨模様。傘を手放せない一日。

Bilbao Abando 駅。ステンドグラスが素晴らしい。
宿泊したホテル「Bilbao Art Lodge」とても親切な支配人が街の成り立ちから最近の街の復活について、周辺の美味しいお店など、ユーモアを交えて教えていただく。
教えてもらったお店に早速出向いて昼食。「El Viejo Zoetzi」
初めて食べるバスク料理。感激する美味しさ、美しさ、そして安い。
赤ピーマンと魚をオリーブオイルで和えたもの
昼食を終えて訪れたビスカヤ橋(Puente de Vizcaya)。2本の鉄塔は川の対岸に立っている。
建物の間隙からケーブルが伸び、鉄塔を引っ張っている。
通行料を支払ってしばらく待っていると、向こうから宙に浮いた宇宙船のようなゴンドラが近づいてくる。ゴンドラには車も乗っているようだ。
3分くらいでこちら側に到着。ゴンドラはケーブルで橋桁から吊るされている。
ゲートが開いて、車が発進。車の両側のコンテナのような部屋からも人がたくさん出てくる。
帰りのゴンドラに我々も乗り込む。待機していた車も今度は逆向きに進入。
スルスルと空中を滑るような乗り心地。
対岸に着いた。
全景。160mスパンの2本の主鉄塔、高さ45mに架かる鉄桁、ケーブルで吊り下げられたゴンドラ。どうしてこのような構造の橋にしたかというと、ビルバオは造船の街として栄え、大きな船舶が往来するため橋桁が邪魔になってしまう。そこで考えたのが運搬橋という方式。1893年、アルベルト・パラシオによって世界で初めて作られた。
ケーブルの支持部分。
柱脚はそのまま地面に刺さっている。
横方向のケーブルも。日本だと人が触れないように囲いかなにか付けてしまいそうだけどこの素っ気なさと合理性は気分がいい。
更には橋桁の上にも登れてしまう。歩いて往来もできるのだ。
ウッドデッキが敷かれ、間から覗く橋桁と水面。
またゴンドラが出発した。
バッテリーを積んだ上部台車はモーターが駆動してレールを走る。
すごいものを見たと興奮冷めやらぬまま、次の興奮が訪れる。フランク・O・ゲーリーの「グッゲンハイム美術館」
チタンと石張りの外壁。
建物の中心に位置するアトリウム。谷間に光が差してくるようで居心地が良い。
最も大きなギャラリーの展示はリチャード・セラだった。ゲーリーの空間と呼応するように作品が作られている。
チタンと塗装で仕上げられた外壁の3次元的の滑らかさに対して、ガラス面は曲面ではなく、鉄骨の支持も力でねじ伏せている感じ。
3次曲面は3階以上で激しさを増すが、展示階は3階まで。
ネルビオン川の反対から。コンクリートではなく、全て鉄骨構造でこの局面が作られている。
美術館横のスビスリ橋。サンチャゴ・カラトラバの設計。
1本しかない鉄骨のアーチは上空で橋の幅方向に湾曲している。そのためテンションロッドが美しい3次元曲面を描く。その代わり結構揺れる。人が通るたびにロッドがびよんびよん伸縮するのだ。荷重に余裕を見込んでいない設計ではあるが、そうでなければこの繊細なスケール感は出せない。
夕飯はピンチョスを食べる。「Gaztandegi」

ビルバオはグッゲンハイム美術館だけではなく、交通機関や橋梁など、街全体がデザインに力を入れている印象を受けた。造船業の衰退に伴って荒廃してしまった分、新しいことがやりやすい環境だったのではないか。バルセロナやマドリードよりもさっぱりと清潔な雰囲気があり、また訪れたい気持ちになる。