Gare de Saint-Quentin-En-Yvelines駅からバスに乗る。Bazoches Egliseというバス停からさらに20分ほど歩く。新緑の田舎道は気持ちが良い。門が開くまで時間が空いてしまったのでカレ邸の近くのジャン・モネという政治家の別荘を訪れる。茅葺きで屋根が葺かれていて、そのボリュームに驚いた。切妻屋根の片方はほとんど地面に着きそうだ。川崎市生田の民家園にあっても違和感がなさそう。いざ開門。アプローチの木漏れ日の先にカレ邸が見えてきた。こちらが北側。シャープな屋根。鉄骨柱を除くと完全RC造の建築だが、レンガが張られ、更に塗りつぶしの白ペンキで仕上げている。凹凸がありながら塗り込められた白がつくる陰影はとても優しい雰囲気をだしている。大きな単一勾配の屋根と2400mm程度の軒庇が架かるポーチ。玄関ホール。ふわっと天井が高くなっていて、高揚感を誘う。右手(西側)に天井が下っていて、階段と呼応するように天井もいっそう低くなる。絵画鑑賞に適した北側からの採光。20人くらいの見学者がいっぺんに集まるので人がいない写真が撮れないが、それでも他の人がどんなところに興味があるのかが見られて楽しい。天井はレッドパインを小幅にしたもの。リビングは南北方向に細長く、30畳程度の広さ。玄関ホール横の書斎。北西の光量が少ない場所で、しっとりと落ち着く。リビングから玄関ホールを見返す。斜面に沿って床がスキップしていて、リビング側は玄関ホールより700mm下がっている。斜面方向を見る。リビングの腰窓が斜面をトリミングして、奥の森に視線を誘導しているようだ。主寝室。点在する照明器具が人の居るべき場所を誘導するようだ。寝室に続いているバスルーム。バスルームの奥はサウナ。キッチン。東側に開口が取られていて清潔。ダイニングルームダイニングテーブルと壁に架かった絵画に向けられたペンダントランプ。1時間ほどで次のグループのために外に出なければならないという。残念だが、外を見て回る。南側からの見上げ。斜面を区切るひな壇と屋根の勾配、ボリュームの凹凸。凹凸するボリュームは休憩場所なのだろうか。室内から出入りできることが出来たほうが使い勝手が良かったのではないかと思う。東側。下屋の低い庇で2層分の高さを区切っている。西側から。芝生の手入れが行き届いている。単純な勾配屋根をスロープと同じ向きにしてボリュームを抑えているのがよくわかる。屋根の吐水口と受け口。鉄骨の柱は無垢材が半割にしてくっついている。受け口はこの地に咲くデイジーを模したものだという。自然の形を素朴に採り入れる感性がすばらしい。まだまだ味わい尽くすことが出来ないが、カレ邸を後にする。ガレットを食べて最終日が終わった。