11時ユトレヒト発のICEに乗って13時ケルン着。今日は建築をお休みして向かったのはFCケルンのホームスタジアム、ラインエネルギーシュタディオン。FCケルン×マインツの一戦を見るためです。ブンデスリーガを生で観られると、事前にインターネット予約していたチケットを手に興奮しながら入場すると、なぜか入場門で呼び止められ、チケット売り場に回れと言われます。チケット売り場の列に並び、そこで告げられたのは「これはフェイクチケットだから君たちは入場できない」という衝っっ撃のひとこと。混乱しながらもどうにか試合を見せてくれと交渉したものの、チケットは完売していて不可能だと。受付には同じようなフェイクチケットの山。どうやらインターネットでのフェイクチケットが横行しているらしく、まんまとそれに引っかかってしまったのです。警察への被害届の用紙を渡されるものの、どう考えても時間の無駄。悲嘆に暮れて来た道を引き返し、ライン川を呆然と見つめながらビールを飲むしかありませんでした。いやー驚いた。
気を撮り直して翌日。朝からケルン大聖堂、ルードヴィヒ美術館を一通り見てまわり、コロンバ美術館(Kolumba Museum)の開館時間を待ちます。
ピーター・ズントーによる2007年の作品。聖コロンバ教会の廃墟となった遺構に接木するようにして増築された部分がズントーの手によるもの。外壁は灰色のブロックで仕上げられていて、下層部分には無数の穴が空いています。
エキスパンションジョイントなど一切かまさず、新しい壁面を乗せている。
無数の穴に近寄って見ると、ブロックは奥行きが5cm程度しかなく、暗がりの奥に柱(おそらくスチール)があることがわかります。つまりブロックによる組積造ではなく、現代的な架構で成り立っている建築です。
裏手(東側)の避難階段も軽やかで精巧な作り。
版築の塀で囲われたエントランスから続く中庭。砂利敷きにスクッと立つ樹木。
厚みのある皮で作られたカーテンが1階展示室への入り口。
内部はローマ時代から続くこの場所の遺構を散策するように見ることができます。レンガの2重壁から光が差し込みます。
広葉樹で作られた散策路。柱は直径40cm程度の相当に細いコンクリート。先ほど中庭で見た樹木と似たスケール感。
2階、3階は教会にまつわる美術品を展示するスペース。
各展示室に一つずつ開口が設けられていて、ケルンの街並みや光を効果的に取り入れています。
ディテールの一つ一つに感心。押縁と面を合わせるようにガラスの外縁だけ厚さを薄くしていたり。
テラゾーで仕上げられた床面と壁とを分けるため、床面に目地をとっていたり。
その床面の目地を優先するために、個室の入り口は若干の段差をつけていたり。いずれも「陰影」そのものをデザインにしているかのよう。日本人にファンが多いのもわかる気がします。
15時前のICEに乗って19時ベルリンに到着。AirBnBで見つけたアパートの一室は日本人の方が運営する部屋で、古い建物を丁寧に改修したもの。ここに3日間お世話になります。