昨日の夕飯の残り物をお弁当にして、デッサウへ出発。ベルリン中央駅からは大体1時間30分程度。今日も晴天。4月上旬でも朝は結構冷えるのでダウンジャケットでちょうど良いくらい。現地の方は半袖だったりするけど。

デッサウ駅前はアンハルト大学のキャンパスがあるため若者が多い。バウハウス校舎も駅から歩いて5分ほど。

バウハウス・デッサウ(Bauhaus Dessau)に到着。駅からだと東側からのアプローチとなり、道路をまたぐブリッジの部分がラボ、左手が学生寮棟、右手が技術訓練棟。
第一次世界大戦直後の1919年、ワルター・グロピウス(Walter  Gropius)によって設立された工芸と美術の学校であるバウハウスは当初はワイマールに作られ、1925年にデッサウに拠点が移されたので、来年は創立100年を迎えます。

ブリッジの足元にメインエントランスがあります。かなり控えめ。各ウイングの根元の部分にエントランスが位置しているので、動線を短縮するプランニングだということがわかります。

ガラスのカーテンウォールがとても清々しい。半地下になっている1階部分がカフェ。2階の床が目線に近く、不思議な浮遊感があります。ガラスのカーテンウォールから受ける印象は先日見たロッテルダムのファン・ネレ工場に近い。それもそのはずで、グロピウスはバウハウスの教師の一人として、ファン・ネレの設計に深く関わったマルト・シュタムを招いています。ファン・ネレの完成が1931年とされているので、こちらの建築がファン・ネレ工場に影響を与えたと考えられそうです。

西側全景。美しい横長のプロポーション。

南西外観。最も写真に撮られただろうアングルを特徴付けているグレーのボリュームは避難階段です。

学生寮棟にはバルコニーが付いています。宿泊も可能とのこと。

内部に入ります。エントランスの正面に半階分上下する階段があり、スキップフロア形式の建物であることがわかります。外観で見た腰の低いプロポーションの秘密がここにあるような気がします。敷地がほとんど平坦なので、あの外観を作るためにあえて半地下にしたのだと考えます。

半地下の部分のロッカーがあります。躯体はRC造でありながら、壁はブロック積みがあらわしになっています。コスト的に全部RC造にすることが出来なかったのでしょう。

窓の開閉機構の多彩さもこの建築の見どころです。

チェーンと滑車で動く回転窓。小窓をアームで連結して、ロッドに引っ張られることで窓が開きます。

高所倒し窓のそれぞれに設置された木製のバーで操作するタイプ。

ハンドルによる内倒し窓。

マルセル・ブロイヤーのワシリー・チェア。

資料室にはこの建物の外観の変遷が並べられています。当初は「BAUHAUS」の文字がなかったことにちょっとした驚き。

デザインショップは文房具、家具、書籍など品揃えが豊富。荷物を多くしたくないので控えめに買い物。デッサウにはバウハウスの他にも同じグロピウス設計による住宅やバウハウスの教師であったカール・フィーガーによるレストランなど訪れるべき建築が点在していますが、これでデッサウを離れてベルリンに戻ります。