朝食を摂ってユニテ内を散策。今日はレンタカーを借りてル・トロネの修道院を訪れる予定としていたものの、前日に見たマルセイユのドライバーの荒っぽさに怖気づき、その上マニュアル車を運転する自信を喪失したので断念。ヨーロッパはマニュアル車しか走っていないと言ってもいい程で、レンタカーにおいても同じ状況のようだ。自転車でマルセイユの港を見てまわる日。

我々が宿泊した部屋。
屋上のコンクリートはややくたびれた印象で、そろそろ大規模な補修をしたほうが良いのではないかと思わせる。
なんとなく10年前に来たときより建物全体に元気がなくなっている印象。初めて訪れた妻も同じことを感じていたらしく、前日のラ・トゥーレットの修道院のほうが生き生きとしていたとの感想。
スタジアムの近くで自転車を借りる。
マルセイユの港、Vieux Portにやって来た。ノーマン・フォスターの作品。
ステンレスの鏡面仕上げの大きな庇が港を行き交う人を映し出す。
ステファノ・ボエリというイタリア人の設計の会議場。30mくらい跳ね出しているのではないか。
ヨーロッパ・地中海文明博物館。こちらもイタリア系のルディ・リチオッティという人の設計。
博物館内部。コンクリートが黒っぽくてシックな印象。
博物館全体をスロープ状の回廊がめぐっている。この回廊は外部空間で、壊れたクモの巣のようなパターンのプレキャストコンクリートで外郭を覆い、内部の柱から持ち出しで支持されている。
地中海の強い日差しを和らげながら、潮風を感じられる快適な環境を作り出している。
ルーフテラスが用意されていて、外壁と同じ材料で覆われた庇の下で休憩。
ルーフテラスには歩道橋が設置されていて、その構造には驚愕した。
橋桁自体の断面は骨のような形をしていて、上下の太いところがフランジの役割をしている。
これで全長70mほどの距離を飛ばしている。プレキャストコンクリートで作り、橋桁を貫通するロッドにポストテンションを加えた構造だと推察するがどうだろうか。
この端で渡った向かいにあるのがサン・ジャン要塞。
要塞からの眺め。港の対岸の丘にはノートルダム・ドゥ・ラ・ガルド寺院が聳える。

港を後にして自転車でユニテ・ダビタシオンへ戻る。マルセイユは港へ向かって下っているので、帰りの上り坂はかなりきつい。自転車専用レーンもあまり用意されていないため、それほど快適でもなし。オランダやベルリンではあれほど快適だったのは街が平坦だったからなのだなと遅まきながら気がつく。